「はーーーっ!」
雪猫・ケインは蛇王の方に向かって走りながら、呪文を唱えた。
「シンボルストーン・ライド・オン!」
ズーーーン!
青いひし形の石がケインの目の前に現れた。
ズオオオオ
「何人も束になってかかっても、無駄じゃあ!」
蛇王が牙を向けてケインに向かったそのとき、ケインの全身からものすごい冷気が出てきた。
「うおりゃあああ!」
ケインは冷気のみなぎった拳を地面に叩きつけた。
「タワーリング・インフェルノ!」
ズガガガガガッ
アイスピックのような氷が地面から出現し、蛇王に向かっていった。
ずどどどどど!!!
氷の結晶が蛇王に襲いかかる!!
「剣よ、彼らのために輝き給え!」
淡い光は剣先に集まり、大きな光に変わっていった。
その頃、妖精マサボーが悪夢の城に捕らえられてた…
「くそっ、ここは何処だ!縄を解け!」
マサボーが必死にもがいていると、向こうから誰かやってきた。
「ふっふっふっ…」
「はははは悪夢の城かと思った?騙されとるの?」
はってむがマサボーの前で無邪気に笑っていた。
(てめええええ!)
「ここはわしの店じゃよ」
(店?)
「そうじゃ、『スナックはってむ』じゃおぬしらも遊びに来たらええじゃんか、ほれ酒もあるぞよ!」
(そうだな、じゃあ、行こうか…ってコラー!)
いつの間にかはってむはマサボーを抱えていた。
(どうでもいいけど下ろしてくんねえかなあ)
ドカッ、バスッ、ドコォッ!
はってむは周りの皆からぼこぼこに殴られた。
「何やってんだ!じいさん!こんな非常時に!」
雷猫・サンダーがものすごい形相で、雷落し(いかずちおとし=雷猫一族が悪事を起こした者に天誅を加える技)の構えを見せていた。
「はってむさん、その子だれ?」
タマがはってむに抱えられているマサボーを指差していた。
「あ、あん?この子はいつの間にか傍に…」
はってむは慌てて、マサボーを下に下ろした。
「君、どうしてここにいるの?」
「僕は城から逃げてきたものです」
マサボーが話し始めた。