キャプテン北条とロブスターの2人はお互いを確かめるように間合いを取っていた。
「何で、戦わないの?」
「あの2人はお互いの出方を確かめているのだ…」
レスはぼそりとつぶやいた。
さて、どちらが先に出るのか?
「ここはお互いにフェアにいこうでないか…まずは挨拶を」
北条がつかつかとロブスターに歩み寄った。
(バカめ!お前の脳天、がら空きだぞ!)
「ダーッ!!」
「礼!」
グワーッ!
北条はロブスターの上段蹴りを礼であっさりとかわした。
「むむ…俺の蹴りをかわしやがった…食らえ!」
ビュッ
ロブスターのはさみが北条の顔すれすれを通り過ぎた。
「やい!エビ野郎!目潰しは卑怯だぞ!」
「なんで、目潰しなんだよ?」
「だって!チョキやってるもん!」
ドドッ
「元からチョキだ!!」
タマのボケとサンダーのツッコミも目にくれず、北条は平静を保っていた。
「ホアーッ!」
北条はロブスターの下段蹴りを飛びながらかわし、そのまま上昇した。彼の姿がいずこへ消えた。
「ど、どこだ!あの坊主は!」
ロブスターは狼狽した。
「あ、あれを見ろ!」
ケインがある方向を指差した。
「ばっばかな!?」
「うそ!?」
「なに!?」
「はあ?」
一同が見たものはいったい?
タマのうえに北条が!?
「わっ?何?いったい?」
タマは自分の上に北条が乗っている事を自覚していないようだった。
「何であんなことができるんだ?」
「フフフフ…彼は体重をけすことが出来るそうだ(管理人註・柳田理科雄著「空想科学漫画読本2」を参照ください…この本をお持ちの方はある項をごらんください…笑)
レスが知ったかぶりの口調で言い切った。
「ねぇ、いつまで僕の上に乗っているの?なんだか変な気分だよ?!」
タマはじれったそうに北条に話しかけた。
「そんな技が俺に通用すると思ってるのか!」
ロブスターが一気に突進してきた。
「わーっ!!」
「坊主!その猫と死んでもらうぞ!」
ドドドドドド
ロブスターは図体がでかいくせに足は速い。突然のことに、タマは体が動かなかった。
「なにしてんだ!タマ、早く動け!」
「そ、そんなこといったってぇ…!」
「させるか!」
キザは薔薇を鞭に変形させロブスターの首に巻きつけた!
「ぐっ!おのれ…キザ!」
ギリギリギリギリ
薔薇のムチはキザが引っ張るにつれて、だんだんしまってきた。
「このムチは伸縮自在だ!最後にはお前を覆っている固い殻の鎧を突き破って首がちょん切れるぞ!」
「やった!」
ツバサは思わずガッツポーズをとった。
「ぐああああああ!!」
ロブスターがキザのムチにはさみを入れようとしたとき、北条がタマの頭から池に飛び降り、キザの方に向かって走っていった。
「わーい」