ロブスターは口から泡を吐き出した!
「危ない!」
キザとツバサはいっせいによけた。
「いっ岩が溶けた!」
「ビイイイエエエエ!どうだ俺の力を見たか!」
「ああ!どうしてくれるあのザリガニ!」
「どうしたの?」
「あの庭石、500万円もしたんだぞ!どうしてくれる!」
ズドッ
「こら!お前、女々しいぞ!庭石一個ぐらい!」
ツバサがサンダーを怒鳴りつけた。
「ワルワル〜」
戦闘員がキザとツバサを囲んだ。
「やれ?!キザとツバサを始末しろ!」
「ワルワル!」
「おいでなすったな☆」
「懲りないやつらだな!」
キザとツバサは戦闘態勢になった。
「がんばれ〜!」
「お前、誰の応援してんだよ?」
「誰でもいいよ!」
「いいわけないだろ!」
ガッ
「本気出せよ、お前、これじゃ物足りないじゃないか☆」
「ワル〜?!」
キザは涼しい顔で戦闘員の突きを受け流した。
「あのおじさん、すごい!」
「あの人、合気道かなんかならってるんですか?」
フレイヤがツバサに聞いた。
「まあね、キザは格闘ならなんでもこいだから」
「とおー!」
「ワルー!」
キザは受けた手で手刀を繰り出した。
「ワルワル…」
その時、もうひとりの戦闘員がキザの背後に忍び寄った。
「あ、危ない!」
あっという間に戦闘員はツバサの手に堕ちた。
「いまだよ、キザ!後はあんたに任せた!」
「OK☆」
「お二人ともすごいですね」
「ああ、特にツバサさんはな」
フレイヤとサンダーが話している傍からキャッキャッと声が聞こえた。
「わーい、イルカさん」
「キュ〜」
「お前、人が戦っている傍で遊ぶなぁ!!」
「ワル〜!」
「おーっと!」
キザは戦闘員の蹴りをかわし、すばやく下段蹴りで戦闘員の足を引っかけた。
「ワル〜」
戦闘員はキザの足に躓き、転倒した。
「いよう!大統領!」
ケインがキザに声を掛けた。
「いやあ…それほどでも…あるよ☆」
「むむむ…キザめ…甘く見ていたようだな…だが、このままじゃ済まさん!」
ロブスターは泡を吹きながら、にやりと笑った。
「イヒヒヒヒヒ!」
ロブスターは奇声を上げながら、キザに向けて泡を吹きかけた。
受身で泡をかわすキザ、だが、どんどん泡はキザの方に向かっていく。
ジュウウウ…
泡はその辺にある石の置物や砂利をどんどん溶かしていった。
「おのれ、ロブスター!」
「ビイいいえエエエエ!どうだ!俺の泡で近つけまい!」
「いったいどうすれば…あの泡は硫酸と同じくらいの効果を持つ。迂闊に近づいたら泡にやられる!」
レスは冷静に分析をした。
「ぐぐぐぐ…おのれ…」
サンダーは怒りに打ち震えていた。
「なに?サンダー?あのおじさんの真似?」
「おのれ!ザリガニ野郎!庭をめちゃめちゃにしやがって!」
ドドドドドッ。
ツバサはとっさに腰の銃を持ち、ロブスターに向けて放った。
「こうなりゃ遠距離戦だ!」
バーン!バーン!
「ビイイイエエエエエ!そんなもん効かぬわ!」
コン、コン、コン…
ロブスターの足元には無数の弾丸が転がっていた。
「くっ…弾を跳ね返しやがった…」
「呼んだ?僕のこと?」
「お前じゃねぇ!」
サンダーは思い切りタマをぶん殴った。
その時だった。なんと坊主の男が池の上を走っているではないか!?
「ハイイイイイイ!」
「なんだ!?貴様!」
「欧令高校、少林寺拳法部、キャプテン北条!ザリガニのバケモン!俺が相手だ!」
キャプテン北条と名乗った青年は池から飛び上がり、くるりと1回転し、ロブスターの前に着地した。
「次から次と出てきおって!何人束になろうと同じことよ!」
「俺の泡をくらえ!!」
「はあああああああああ!」
北条は側転でロブスターの泡をかわした。
「あの人、どこかで見たことがある!」
「何だよ…お前のそれはあてにはしていないが…誰だよ…」
「『燃●系ア●ノ液』のCMに出ていた人!」
ドドドドドッ
「ひとり足りねえだろ!!」