「雨なき日」その6「エピローグ」

お礼に妖精を差し上げます。

「あの、これお礼です…」
園は神様に何か差し出した。赤い魚で、鱈ではなかったが随分鱈子唇な魚だった。
「これは?」
「これは妖精の魂が宿っている魚です。あみタイツを側に置くと妖精になります。お酒を出したり踊ったりすることができるので…どうぞ。」
「ありがとう…(あみタイツ?!)」
「それからグラサンの方。貴方にはこの妖精の魂の宿ったカタツムリをさしあげます。リボンを沢山このカタツムリにつけてあげればこのカタツムリも妖精になります。」
「…ありがとぅ…。」

園からもらった物を並べてみると…。

その夜、神様宅…
「おい!んだこりゃぁ…」
「ああ、あの猫の妖精からもらったんだ。」
「園ちゃんから?一体この危なそうなのは…」
「なんでも妖精になるらしい。」
「なんか危ない妖精になりそうだな。」

ゴオッ、ボワアアアアーっ!!
園からもらった鯛や網タイツを戸棚に並べたとたん、真っ白い煙が舞い上がった。
「ゲホッ、ゴホッ!…なんじゃこりゃあ!」
「呼んだー?!」
なんと目の前には体は鯛、下半身は人間の脚に網タイツという化け物…もとい妖精が現れた。
「ぎゃああああ、出、出たー!!」

神様とウェットティッシュは大慌てで家から逃げ出した。
「待ってぇぇぇ!!何で逃げるのよぉぉぉ!!」
鯛の妖精(妖怪?)は逃げる2人を追い掛けた。反対側を見ると、例のグラサン男もリボンをつけたカタツムリの妖精(妖怪?)に追い掛けられていた。
「素敵なお兄さぁん!!一緒に遊びましょうよォォォ!!」
「だああああっっ!!オレの追っている組織より恐ろしいっっ!!」
果たして3人の運命は!?――(笑)

コロボックルは自分のふるさとに向かって帰っていった。

その頃、炬の家では…。
「神様達、私のプレゼント気に入ってくれたかしら…?」
「普通の人間には、ちと抵抗があるかもしれん奴らだからな(笑)」
「ところで、あの小さな子供達はどうしただろう。何か憎めない連中だったが…」
炬の言葉に、ふと窓を見た園は驚きの声をあげた。
「兄さん!炬!あれ!!」
3人が窓を開けて外を見ると、小槌の神様に引率されたコロポックル達が夜空を歩いて行くのが見えた。
「さあ、みんな。楽しく歌いながら帰ろうぞ」
「森の木陰でドンジャラホイ♪…」

丸っきり、小学生の遠足である。
「…結局、あいつら何しに出てきたんだろう…???」
「てんで性格が掴めんな…(汗)」
ピエールと炬が呆れている傍ら、園は密かに思っていた。
『さようなら、コロポックルさん達。また遊びに来てね…』
では、お騒がせ致しました――

(完)


「雨なき日」いかがだったでしょうか。前の話がどこかシリアスでしんみりしたお話だったので、久しぶりに肩の力を抜いて合作が出来たような気がします。
今回も、A-chanさん、オーレさん、友斗さんにご協力をいただきました。ありがとうございます。
前々回、前回はA-chanさんの後書きをお借りしていたので、管理人自身が後書きを書くのは久しぶりでございます(汗)

次回の合作ですが、今回は私が前から考えていた話を取り上げたいと思っています。こちらにあらすじを書いておきます。描き始めはどなたからでも構いません。
間 人志(はざま ひとし)はクイズ番組「クイズ・ミ●オネア」に出場することになったが、実は人志の友人が勝手に応募はがきをだしたのが抽選に当たってしまったのだ…。
それを知った人志は顔面蒼白になる。後に引けなくなった人志は天使・エルと悪魔・ルビと共にクイズ番組に向けて猛勉強をする…。
人志は筆記試験に合格し、TVの出場資格を得る。だが、この番組の収録の中で大変なことが待ち受けていたのだ…。
次回、「クイズの道は険し!」(仮)です。お楽しみ…。
(管理人註・タイトルおよび内容は変更になる可能性があります。ご了承ください。)


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