「ミドマサボーキック!」
バキッ!
「ぐげッ!」
バタッ!
ミドマサボーのキックを食らったボンドーは前のめりに倒れた。
「お姉さん、今、解いてやる!」
ミドマサボーは桃マサボーの足のボンドを解こうとしたが、協力接着剤が固まったように取れない。
「と…取れない!」
「ケケケケ、俺のボンドは1度くっついたら取るのに難儀するぞ!」
「マサボルブラスター!」
ビイイイイイ!
赤マサボーはマサボルブラスターでボンドーのボンドを焼き切った!
「大丈夫か?桃マサボー」
「え、ええ…」
桃マサボーはゆっくりと起き上がった。
「くくくく、さっき言ったことを忘れたか…俺のボンドはそんな銃ではやられはしない…」
「??」
「黄マサボーブレス!」
「ぐえ!」
「おのれ!俺の顔によくも尻をぶつけてくれたな!許さん!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!
「な、何?」
ものすごい音にマサボレンジャーたちは驚いた。
「必殺ーーーーっっ!!ボンド固めーーーーっっ!!」
怒りのボンドーはマサボーレンジャー目掛けて、頭部の穴から大量のボンドを放出した。
「おおっっ!!」
「うわっっ!!」
「きゃああああっっ!!」
「いやっっ!!」
「どひゃあーーーーっっ!!」
ボンドを全身に浴びたマサボーレンジャーは、体が固まって動けなくなってしまった。
「ふっふっふっふっ……最後のようだな、マサボーレンジャー。ゆっくり止めを刺してやるぞ……」
動けないマサボーレンジャー達に、ボンドーが不気味に笑いながら近付いて来た。危うし!!
「俺に任せろ!エレガントカーニバル!」
青マサボーがターンするとマサボレンジャーたちに付いたボンドがみるみると消えてゆくではないか!
「おおっ!ボンドが消えてゆく!」
「これで思う存分暴れられるぜ!」
「ボンドー!覚悟なさい!」
その頃、芥川研究所からホレボレの矢の解毒剤を入れた噴霧装置が発射され、上空から街に向かって解毒剤を噴射した。
解毒剤の霧は、マサボーレンジャー達のいる場所にまで届いた。
「何だ?この緑の霧は?」
マサボーレンジャー達が不思議そうにしていると、ボンドーの体に異変が起こった。
「お、おかしい。オレのボンドが水になっちまったぞ……」
ボンドーの頭部からは、水状になったボンドが勢い無くチョロチョロと流れ出ている。どうした事か?
その時、マサボーレンジャーの通信機に芥川博士から連絡が届いた。
「今、ホレボレの矢の解毒剤を街に向かって噴射したところだ。お陰で街の人々は元通りになったよ」
「そうか、この霧は解毒剤だったのか」
「この薬、惚れ薬を解毒するだけじゃ無くボンドーのボンドの威力も無効にするみたいだぜ」
「ボンドの出なくなったボンドーなんて、ただの空チューブの化け物よ。一気に片付けちゃいましょう!」
相変わらず口の悪いミドマサボーだが、果たしてマサボーレンジャーのフィニッシュは!?
「ターゲットスコープ!」
「角度よし!」
「エネルギーマックス!」
「風向きよし!」
「マサボルバズーカ!発射!」
ズドオオオオオオン!
目もくらむような閃光が辺りを包んだ。
「ぬぬぬぬう!?」
「ぎゃあああああああああああ!」
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
大きな爆発音とともに、ボンドーは消えていった。
「やったぞ!」
5人のマサボレンジャーは空に向かって、ガッツポーズをとった。
「どうやら、あっちも無事に終わったようじゃ…」
芥川博士はその様子を空から見ていた。
「芥川博士、ありがとうございます。あなたのお陰で2つのサイトは救われました」
「いやいや、ワルワル団の陰謀を打破できたのは、キミ達の協力もあったからこそじゃよ。そして、あの人も……」
博士は解毒剤を持って来た橋本氏に、心から感謝した。
「さあ、私達は引き上げましょう」
「では博士、さようなら」
「マサボーレンジャーの諸君。また会おう」
ホレボレの矢の騒動が収まってから数日が過ぎ、平和が続いていたかに見えたが…。
「童馬くん!!何度言えば解かるの!?お願いだから先生を怒らせるようなマネはやめてちょうだい!!」
「うるせえなあ!オレが何をしようとお前に関係ねえだろ?ほっといてくれ!」
「せっかく元に戻ったのに……いい加減にしとかないと、本当に彼女がライバルに寝返っちまうぞ。オレも人の事言えねえけど……」
童馬とエリカの言い争いを見て苦笑いのケムゾウだが、仲が良い者同士程ケンカをするもの。みなさんも温かい目で二人を見守ってあげて下さい。
前回に引き続き、オーレさんとA-chanさんにご協力を頂きました。
ありがとうございます。