ある日のことだった。しがないいちサイトの福禄堂に変なヤツがやってきた。
「ご〜んず〜い!俺様はワルワル団の怪人ゴンズイ男だ!このサイトは我らワルワル団のものだ〜!」
ゴンズイなんてマニアックな名前の魚だなぁ…と思っている暇はなかった。早く誰かを呼ばなければ…。
と、もたもたと管理人が思っていた傍から、一人のヒーローが現れた。
「待て!貴様らの好きにはさせんぞ!」
彼の名前はマサボレンジャーの赤マサボー。熱血漢のマサボレンジャーのリーダーだ。
「誰だ?お前は?」
ゴンズイ男は胡散臭そうな顔をした。
その傍から、西●輝彦が出てきそうな音楽が流れていた。
「この花を知ってるかい?」
「知らん」
「そうこの花はシランの花」
赤マサボーの次に表れたのは、青マサボー、シラン(紫蘭)の花をくわえてとてもニクイヤツである。
「おじさん!変な顔」
(ゴンズイ男、ずっこける)
「何だと!人の顔を見て『変な顔』だとは失礼な!俺にはゴンズイ男という立派な名前があるんだぞ!」
「おじさん、『ゴンベエ』って名前なの?」
「(またずっこける)ち、が、う!俺はご、ん、ず、いだーー!!」
「ゴンズイってなに?」
「えーい!お前と話していると調子が狂うわ!お前、いったい何者だ!」
「僕は風船猫・タマだよ、何者じゃないよ」
「屁理屈言うな!」
ここで透明猫・レスが出てきた。
「ゴンズイはな…海に住むなまずの仲間だ…ひれにはとげがあり、さされると痛いらしいが、味噌汁にするとおいしいらしいぞ…」
「えっ?食べられるの?ねー、どんな味!」
2人のマイペースな会話にゴンズイ男はしびれを切らした。
「こらーっ!お前ら、俺のこと散々無視しやがって!ええい、もう怒った。このサイトをめちゃくちゃにしてやる!」
「何か言ってるようだけど…」
相変わらず、状況を把握できていないタマだった。
わがサイトの運命はいかに…。
「ほあちょおおおおおおおお!」
「ワルワルー!」
「わー、かっこいい」
感嘆しているタマの傍に雷猫・サンダーがやってきた。
「悠長なこと言っている場合じゃねぇよ!」
赤マサボーのキックがワルワル団の戦闘員に命中した!
「なんで、あの人、『ワルワル』なの?」
「知らないよ!」
「セイヤー!」
「ワルワルー!」
今度は青マサボーの右アッパーがもう1人の戦闘員の顔に炸裂した!
「わー、かっこいい!」
「お前はそれだけかよ!」
「ところで『なまず男』はどこいった?」
「知らない!」
タマの背後にゴンズイ男が顔を引きつらせて立っていた。
「こらーっ!俺を無視するなあ!」
「わーーーーっ!」
「貴様!何者だ!」
「こんすいおとこ!わたしがあいてタヨ!」
どう見ても歌手にしか見えない衣装、そしてカタコトのこの女性がいきなり現れ、戦闘員の首根っこを押さえたのだ。
只者だけでないことは確かのようだ。
「こんすいおとこ!やつけにきたぞ!」
「あの人、思い出した!」
「誰だよ」
「西●秀樹だ!」
「女性だって言ってんだよ!」
「でえええええい!」
バキイイイイ!
「ぎえええええ!」
海上ツバサの飛び後廻蹴りがゴンズイ男に炸裂した!
「おい、誰だ、でたらめ言ってるのは?」
「でたらめなのは福禄堂の管理人!」
「責任転嫁するな!」
ツバサの蹴りを食らったゴンズイ男が地面に突っ伏した。
「くそぉ…ど派手だかやるな…」
そのとき、赤マサボーと青マサボーの2人がツバサに声を掛けた。
「どこの誰だか知らないが助かった!今度は私達に任せてくれ!」
「たのんたよ!」
ツバサはまたもや、かたことの日本語で返した。
「知り合いじゃなかったのかよ!」
激しいツッコミをするサンダーをよそに、2人のマサボレンジャーは武器を構えた。
「マサボルブラスター!」
「マサボルサーベル!」
説明しようマサボルとはマサボレンジャーのベルトのバックルに内蔵された武器である。
「僕も欲しい!どこに売ってるの?」
「売ってねぇよ!」
「万能武器マサボルセット、今日はお買い得で3980円です。さぁ、君もこれでマサボレンジャーの一員だ!申し込みはオーレさんの所まで!」
どこからともなく、管理人が出現した。
「うそつくんじゃねぇ!管理人の言っていることは冗談ですのでくれぐれも信じないように」
余計なお世話である。
「破!」
2人が同時に叫ぶと大地も切り裂くほどの爆音がとどろいた。
ドカーン!
「ギャー!」
「きええええええ!」
バキイイイイ!
トイレに戻ってきた…もとい、とどめをさすのを待っていたかのようにツバサが最後の蹴りをゴンズイ男に食らわせた。
「トイレから戻ってきたんだよ」
「それはさっき言っただろ!」
「きっとお色直しに行ってきたのだ」
「服装、さっきと同じだよ!」
「あああああああああああ」
ドカアアアアアン!
ゴンズイ男は断末魔の叫びと同時にに大きな爆音と一緒に消滅した。
ツバサはエル●ス・プレスリーのように左手を高々と上げ、ポーズをとっていた。
「ねえ、なまず男さんはどうなったの?」
「見たとおりだろ」
「どんな味かこの人に聞いてみようか?」
「お前はそればかりだな!」
マサボレンジャーの2人と謎の女性ツバサは、いずこへと消えていった。
何はともあれ、わがサイトの危機は回避された。ありがとう!マサボレンジャー!…ツバサさん。
これが一番最初の「合作」でした。
前回の「フラワー児童」の話に続いて、オーレさんの絵から始まったものを管理人が文章を大幅に加筆し、編集いたしました。
『ゴンズイなんてまたマニアックな…』とは書いてありますが、ゴンズイは海で泳ぐ人にとってはメジャーな魚です。
『ゴンズイ』で検索すると結構出てますので、1度ご覧ください。
この話をより面白くした絵を描いてくださったオーレさんにお礼を申し上げます。
ありがとうございました。